〔1巻〕コメディー

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次の日、武志は私の両親に挨拶に来た。 グレーのスーツも最高に似合うわ。 さすが私の旦那。 あん、まだ気が早かったな。 あれ?武志、顔色悪いな…。 結婚の挨拶ってゆうのは男が一番緊張する時かもしれんな。 私、女やから知らんけど。 私の両親は驚きはしたけど…すんなり許してくれた。 そら驚くわな、娘ができちゃった婚やったら。 …しかもできてなかったら? やから両親にも子供できてる事で通した方がええな、もっと驚かせてしまうもん。 もう、武志が『子供もいるんです』って言うから両親にまで嘘つくハメになったやん。 真面目なとこがまたカッコイイけどな。 とりあえずその日は武志は疲れていたので、旅行会社でパンフレットだけもらって一緒に武志のアパートに帰った。 グァムのパンフレットを何種類かもらってきた。 発音はガムかグァムか知らんけど、海外で挙式ってゆったらグァムじゃないの? 青い海、晴れ渡る空、白い小さな教会、世界は二人の為にあるやろ。 全て妄想やけどな。 せっかくグァムのパンフレットでいい気分に浸ってたのに武志の一言が妄想を消した。 『今度は俺の両親に挨拶やな』 男が結婚の挨拶で緊張するなら、女やって緊張するやろ。 これはバトルやからな。 武志VS千代を目に入れても痛くない予定のチヨパパ 千代VS武志は実家の煮物が大好きな予定のタケシママ あぁ、武志のオカンはどんな人やろ。 めんどくさ~。 やだ、やだ。
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