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肩幅が広くなった…？
「私にはあんまり分からなかったんですけど…それがどうしたんですか？肩幅が広くなるくらい男の人なら当たり前…」
そこまで言ってあることに気づいた。
そうだ、樹さんは……
「男なら当たり前。だけどあいつは……」
そうだ。彼はモデル界のトップに立っている誰もが憧れるファッションリーダー
「トップモデルのREI…」
「…正解」
そう、樹さんはREIなんだ。
何で気づかなかったのだろう。
「あいつは普通の男性よりも成長が遅かった。
髭もあまり生えてこないし、男特有の骨のごつごつ感も無かった。
だけど、最近になって急に成長が早くなって…」
深刻そうな顔で俯く。
そんなときに俯くなんて冗談にも程があるよ涼さん！
「じゃ、じゃあ！REIはどうなるんですか？！」
変な沈黙が続いた。
「長くてあと一年。短くてあと…半年くらいだろうだと言われてる。そのことは樹も承知の上だ。」
頭が考えることをやめてしまった。
それが現実なのかと見せつけられている気がした。
半年…？
あと半年しかREIは活動出来ないの？
雑誌でしか活躍してなかったけど
雑誌でしか活躍してないからこその魅力があった。
私の大好きなREIがれっきとした男性の成岡樹になる。
私は樹さんのことが好きだけど。
だけどREIも大好きだからすごく複雑な気持ちになる。
どうすれば良いんだろう。
私には何か出来ないのだろうか。
涼さんは私の顔を覗き込んで溜め息をついた。
「やっぱり、話さない方が良かったな。平野さんがどうのこうの思うことじゃない。だから気にするな。」
ポン、と私の頭を撫でた。
そんなこと言っても聞いてしまった以上、気にしないなんてことは出来ない。
「二人して何、いちゃついてんの。」
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