29人が本棚に入れています
本棚に追加
碧.part1
駅のホームを出て澪香と別れ、自宅に行く前にデパートで買いたい物があった。
澪香へのプレゼントだ。
自分と澪香が初めて話した日が、明日なのである。
だから二周年と言う事で、明日ビックリさせようと思ったのだ。
・・
そう、私達のような境遇の奴は、この世の中には稀だから…。
プレゼントを買い、地下道を通って帰り道に入る。
何だかんだで近道なのだ。
良く通る道だと思って、油断していた…。
「…?」
何か悲鳴のような物が聞こえたから、後ろを見た…。
唖然とした。
大きな物体が、こちらに向かって突っ込んで来ていたのだ…。
口みたいな物が蠢いてるし…
脚が沢山ある…。
「なっ…!?化け物…!!」
発言とは裏腹に、碧の行動は早かった。
近くにある火災警報装置のボタンを叩く。
警報が鳴り響く。
次にやるべきは…
被害の拡大を減らし、多くの人を逃がす事だった気がする。
「蟲って本当に居たんだ…。」
率直な感想。
蟲なんかがいてもあまり驚かない。
何故なら、自分も既に異能な力を持っているからだ。
最初のコメントを投稿しよう!