―夢ノ始マリ―

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碧.part1 駅のホームを出て澪香と別れ、自宅に行く前にデパートで買いたい物があった。 澪香へのプレゼントだ。 自分と澪香が初めて話した日が、明日なのである。 だから二周年と言う事で、明日ビックリさせようと思ったのだ。    ・・ そう、私達のような境遇の奴は、この世の中には稀だから…。 プレゼントを買い、地下道を通って帰り道に入る。 何だかんだで近道なのだ。 良く通る道だと思って、油断していた…。 「…?」 何か悲鳴のような物が聞こえたから、後ろを見た…。 唖然とした。 大きな物体が、こちらに向かって突っ込んで来ていたのだ…。 口みたいな物が蠢いてるし… 脚が沢山ある…。 「なっ…!?化け物…!!」 発言とは裏腹に、碧の行動は早かった。 近くにある火災警報装置のボタンを叩く。 警報が鳴り響く。 次にやるべきは… 被害の拡大を減らし、多くの人を逃がす事だった気がする。 「蟲って本当に居たんだ…。」 率直な感想。 蟲なんかがいてもあまり驚かない。 何故なら、自分も既に異能な力を持っているからだ。
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