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〓薔薇の虜〓
紅い鮮血の廃墟
その黄昏た顔を
熟れた林檎で直そう
雪が舞うこの場所
決して白いとは限らない
酉が飛ぶその時を
人々は“虜が舞来た時”という
空に浮く三日月は
赤く浮かぶ
鳥かごに入った
あなたの生命
血がまんべんなく
ついた手で開けた
水銀みたいな目で見つめ斧をつかい
紅石な血で流す
水瓶に入れて
街に降り積もる
蒼く星々
絶望した顔を
薇(ぜんまい)の音みたく笑う
熟れた林檎じゃ無理
空が蒼くても雲が白くても他(違う)色は必ずある
鳥が巣に舞い戻る時を“阿修羅が光臨する”と言う
藻屑となったあなたの生命
怒りや憎しみの血が見つめる
空白の紙に何を書いても何も出ない
紅蒼翠(こうそうりょく)の宝石が人呪う
薔薇の虜になったあなたの生命
足掻いてもその生命は戻らない
棘に刺さらないよいに巻かれて
命が尽きてももう取れないあなたの生命
薔薇の虜になったら未来がない
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