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「おはよう…ってあらあら、凄い寝癖ね」
この妙に艷っぽい声で俺に朝の挨拶をしてきたのは他でもない、俺の母親だ。
母親の声に対し「艷っぽい」とか使うのは正直俺もどうかと思うが、まあ聞き流してくれ。
俺は頭をくしゃくしゃとかきながら椅子に座る。隣の席に妹がちょこんと座る。
「親父は?」
「お父さんは仕事。まったく、休日なのに大変ねー」
「ふーん」
カタン、と机の上に目玉焼きが人数分、3つ置かれる。その他にもサラダ、コンソメスープ、スライスされたフランスパンにマーガリン。
典型的な洋食である。
「いただきまーす!」
妹の元気すぎる掛け声が部屋に響く。元気なのはいいことだが、朝食くらいはもう少し普通のテンションで食べなさい。
「ふぁーい」
口の中でパンをもぐもぐさせながら妹が返事をする。
母親はサラダを少量小皿に取ったあと俺に尋ねる。
「今日学校は?」
「母上様?本日は日曜日ですことよ?」
「あら、そう」
さっき自分で「休日」って言わなかったか?
何にも変わりない(母親の天然ボケ含む)いつも通りの風景だ。
皆が朝食を食べ終わった後、俺がティッシュで妹の口まわりを吹いてやる。
「こら。動くんじゃない」
「んー」
後片付けも終わり、また妹の「ごちそうさまー!」という声が部屋中に響いた。
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