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―――葉月…
どこからか声が聞こえる
あたしは葉月。
前の名字は忘れた
でも確かに名前は葉月なんだ
あたしの本当のお母さんは病弱であたしを学校に行かせるのもギリギリだった
父親には捨てられてお母さんは入院出来るお金がなかった
「葉月、今日も学校楽しかった?」
お母さんが弱々しく微笑む
「うん!!楽しかったよ」
あたしは嘘をついて微笑んだ
本当は家のことで毎日イジメられていたけど、お母さんに心配をかけたくなかった
「そう。良かった」
お母さんはまた笑った
病院にも行けないお母さんの体は日に日に病魔に襲われた
あたしはただ笑って安心させることしか出来なかった
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