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「…それに?」
健二が不安げに聞き返すと、空は顔を上げ健二を見た。
「健二も力になってくれるし、前より辛くないから」
「っ!そ…そっか」
空が真顔で言ったから面食らったのか、
兄によく似た空の顔を見て健二は照れながら笑った。
「ほら、早く食べないと休み時間終わっちゃうよ!」
(この一時がいつまでも続けばいいのに…)
そう思いながら空は急いで弁当を食べた。
「ッゲホッ!ゲホッ!」
健二は急ぎすぎたのか喉に詰まらせたようだった。
空は急いで残り少なくなったお茶を渡すと一気に飲み干した。
「ッゲホ…あ゙、ありが…とう…ゲホッ」
「ブッはは!健二ウケる!」
「笑うなよ!」
つられて健二も笑い
二人でひとしきり笑った後、休み時間の終わりを告げるチャイムが鳴った。
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