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「うっそぉ!!」
視線を移したら、ポッキーを摘んでたあたしの右手の人指しの爪。
そこの一部に白い自分の爪が見えてきていた。
「信じらんない!!これ昨日の夜塗ったばっかりなのに!!」
昨日の帰りに買った、ピンクのキラキラの入ったマニキュア。夜に、はみださないよう慎重に塗ったのに。
その部分、2ミリ角ぐらいだけ剥がれてしまっている。
「昨日の?へぇー可愛いぢゃん」
「みせて、みせて!!」
放課後の教室で残っていた四人があたしの爪を覗きこむ。
「かっわいぃ~」
あたし達、よくつるむ五人の中で一番最初に17歳を迎えたあゆが言う。ボブカットがよく似合う子。
「安いの使ってるからよ」
恵梨菜は今時珍しい黒髪を腰近くまで伸ばしてる、服とか化粧品には一番お金かけてるんじゃないかな。まぁ、金持ちだしね。
「少しだけじゃん、また塗るの面倒臭いよ~」
制服から私服へ変わると、何度もキャバ嬢と間違えられる麻衣。
「明日、持ってきたら私が塗ってあげるよ」
美咲。あたし達の中ではずば抜けて可愛くて。あたしの茶髪で巻髪も美咲を真似てるんだ。後ろから見ると、そっくり。
後姿だけがね。
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