少年の右手

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そのソファーは二つあり、奥のソファーには一人の男が悠々と座っていた。 男の年齢は二十代後半ぐらいだろう、目にかかるぐらいの流さに揃えた黒い髪で、ホストのような黒スーツを綺麗に着こなしていた。 「どうされました? ここは子供の来るような所ではありませんよ」 男は優しい口調で話す。 「ここが『ウィンターレイン』ですか? 依頼をお願いしに来たんですけど…」 少年は緊張しているのか、どこかたどたどしかった。 しかし、男の方はウィンターレインと言う単語を聞いた瞬間、少し驚いた様子で、 「ここが終わり屋『ウィンターレイン』だと知っていますね。いいでしょう、話を聞きます。どうぞ、そこのソファーに」
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