少年の右手

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義手と言えども、完璧に指を曲げる事の出来る義手など、見たことない。 しかし、ドアを開けた時も、鞄を地面に置いた時も、握手をした時も、勇士の右手に違和感をもたなかった。 思わず、琢磨は少年の右手を両手で丁寧に持ち興奮しながら言う。 「これは、すごいですね。今の義手はここまで進歩してるんですか?」 「いいえ。この義手はまだ出回ってないんです」 勇士が首を振りながら答えた。 「では、一体何故あなたが、そんな物をつけてるんですか?」 「僕が作ったからです」
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