少年の右手

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「君が!? 君は一体何者なんですか?」 加賀も驚きを隠せず好奇心で聞き出そうとする。 「俗に言う天才って奴ですよ」 少年は自分の事をごく普通のように天才と言い張るあたり、ただ者ではないと加賀は判断する。 「知ってますか? 赤ん坊って言うのは一瞬で見たことを忘れないそうです。例えば、あの扉の模様や床の色、どこに何が置いてあるとか一瞬で覚えちゃうんですよ。普通は成長するにつれその能力は失うんですが、僕はその能力を失わずにいるんです」 「けれどそのせいで親にすてられました」
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