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それから、何日が過ぎただろう………起きて、飯を食べて、また眠る日々。
体は痩せ細り、目に生気は無い………あるのは憎悪と復習心のみ。
そんなオレに、運命の日が訪れた。
毎日決まった飯の時間。でも、その日はいつもと違っていた。
「エサの時間だ。」
そう言って運んでくる悪魔。それともう1人、体格のしっかりした悪魔がそこには立っていた。
「彼が……今回の計画の重要人物か?」
その新しい悪魔が、世話役の悪魔に問いかける。
「そうです……コレが、今回の実験体ですよ。ゲヴェル将軍。」
ゲヴェルと呼ばれた悪魔には、人間を見下した発言が気になった。
「実験体?………ビル、今回の計画は、我々にとって大事な計画だ。彼を“実験”などに使っている余裕は無かろう。言葉には気をつけなさい。」
そう言うと、ゲヴェルはビルという悪魔から飯を受け取り、オレの所まで持ってきた。
「部下が無礼な発言をして申し訳ない……。ココでの生活も、今日で最後だ。我々に協力してくれれば、明日には家族の所へ無事に帰そう。今まで閉じ込めた詫びと言っては何だが、今日の飯は……」
まだ続くゲヴェルの話を、オレは弱々しい声で止める。
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