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武は蒸し暑い空気を切るように早足で妹と待ち合わせした店へ向かった   前の方から次々と仕事から一時的に解放された人達が歩く そのうちの1人と肩がぶつかった 「あっ!すみません!大丈夫ですか!?」 とっさに武は謝り、ぶつかった相手に体を向けると 身長178cmの武より少し低めのスラッとした女性が落としたポーチを拾いながら武に顔を向けた 「ごめんなさい。あなたこそ大丈夫ですか?」 その女性は長く艶のある黒髪を後ろで1つにまとめ、グレーのパンツスーツを上品に着こなしている 「あ…いや…僕は大丈夫です…」 「それなら良かった。お互い気をつけましょうね」 そう言うと女性は颯爽と歩いて行ってしまった 武とは知り合いでも何でもないのだから当然の事だが 武は体の向きを直し再び歩き始めた
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