出征兵士を送る歌

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その晩、私達召集兵は旅館に泊まり、翌日に訓練場に移動することになっていた。   部屋は前田君と同じになり、就寝時間を過ぎても語り合った。   出身地、家族の事、友人の事、そしてなによりこれからの事。     「夏服ってことは…南方かなぁ」   「フィリッピンですかなぁ」     そんな時だった。   隣の部屋から泣き声が聞こえる。 男女の声だ。     「絶対だ…絶対に帰ってくる」   「待っております…」  
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