ルカ

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「いたた…」 人が多い商店街。 道のはしを、ルキアは一人歩いていた。 (こりゃしばらく治んないなぁ…) 先ほど父に呼ばれ、思ったとおり、戦闘訓練が始まった。 いつもなら余裕の相手のはずが… 夕べ本を読んでいたため、睡眠時間が極端に少なく、簡単なところでミスしてしまった。 右手の肘から手首にかけて、痛々しいやけどのあと。 (服で隠せばなんとか) 右のそでだけ無理にひっぱり、傷をかくした。 今日の訓練はもうないというので、彼は久々に家をでて、町へとおりてきた。 ルナティークの街並みは美しい。 商店は色とりどりの果物をそろえ、商人の明るい声がとびかう。 そんな街並みを楽しみながら歩いていた。 …と。 (?) 後ろから、なんだか騒がしい音がする。 なにかがバタバタと走ってくるような、そんな音。 ルキアは振り返った。 そして。 「うぁぁ!!どいてどいて!!」 (…っ!?) 視界に入ったのは… ものすごい勢いで、かけてくる少年だった。 しかも。 ルキアの正面から。 「まっ…」 よけようにも、すでに間に合わず。 どっかぁん!! 「うぎゃ!!」 「わっ!?」 2人は正面衝突したのだった。
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