第一話 一章 ラーメンライス

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   土井の言葉にやはり気分を害したのか、目の周囲に力が入って表情が曇る。  ただ、怒りに任せて自分の年齢を言ってしまうほど、彼女は冷静さを欠いてもいなかった。 「未成年だったら、お店には入っちゃいけないんですか?」  その言葉が、未成年であることを認めているのは自覚しているようだった。 「入店の拒否はしないよ。ただ、アルコールの提供の問題で確認したいだけなんだ」 「17歳です……」  見た目と5歳は違う。普通でいけば、成人女性としてアルコールの提供を受ける事が出来そうだった。  ただ何故一人で、ショットバーに来たのかは分からない。 「何を飲みますか?」 「あっ、でも、お酒を出してもらえないなら、注文できない。カクテルを飲みたかったのに……」 「カクテルだったらいいんだね?」 「えっ、カクテルはお酒じゃ……」  彼女もカクテルについて、誤解している一人だった。  一般的にカクテルというと、シェーカーを用いてリキュールなどを数種混合し、色合いの綺麗なアルコールの飲み物と思われがちだ。  彼女に説明しながら、フルートタイプのシャンパングラスを取り出す。口が狭く、細長く背の高めのグラスだ。  アップルジュース、パインジュース等をグラスに注ぎ入れ、マドラーでステアしミントをあしらう。 「わぁ、綺麗」  コースターを彼女の前に置き直し、グラスを差し出す。  
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