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カクテルの定義についてはバーテンダーによって、多少の考え方の違いもあるだろう。
ただ大前提として、複数の素材を混ぜ合わせる事は外さないだろう。
俺も同じように考える。
つまり、アルコールが混入されずとも、複数の素材を混ぜ合わせればカクテルと呼んでいいと思っている。
「お酒じゃなくても、カクテルなんですね。それに、これ美味しい」
「だろ、これだって立派なカクテルだよ」
極端な事を言えば、水割りだってカクテルだ。ウイスキーや焼酎と、水のカクテルって考え方も出来るだろう。
そんな俺の話しを聞きながら、彼女はカクテルを味わっている。
「飲み終わったら、俺に言ってね。次は、俺が愛のカクテルを作るから」
「はぁ……」
リアクションに困るよな。
しかし、この子に段々と興味が沸いてきたので、その愛のカクテルとやらを作らせることにして、時間稼ぎしつつ話しを聞こうとした。
土井の作ったカクテルは、見た目がカシスソーダそっくり……
「土井、それなんだ?」
「何って、カシスソーダっすけど。やべっ酒入ってた」
「すぐに作り直せ」
「はい」
俺達のやり取りを見て、彼女が笑い出す。
「おっかしい。コントみたい」
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