1159人が本棚に入れています
本棚に追加
この隙に、一番気になっていた事を聞いてみることにした。
それも年上好きや彼氏などと、関係しているとは予想が出来たけど、聞かずにはいられない。
「縁ちゃん。どうしてショットバーで、一人で飲もうと思ったんだ?」
「大人になりたくて……」
「大人に?」
彼女と付き合ってきた男達は、別れる時に必ず彼女の幼児性をなじったと言う。
もっと話しの分かる大人の女がいいとか、甘えられるだけだと飽きる等、聞いていると酷い話しだ。
これなら年上でも嫌いになりそうなモノだが、甘えたがりが年上を崇拝させるのだろうか。
「今の彼、薫くんって言うんですけど、今度は子供っぽいって思われないようにしたいんです」
「大人の勉強の為に、ショットバーに?」
「だって、かっこいいじゃないですか。カウンターで一人でカクテルを飲むなんて」
かなり偏った、大人の女像が出来上がっている。
どこから知った情報なんだろうか。
確かに酒を飲む場には、子供では知り得ない大人の世界はある。
ただし縁ちゃんの思うような、かっこいい世界だけではない汚くずるい世界や、危険な世界だって数多く存在する。
それを知ったら、また傷つくんだろうな。
最初のコメントを投稿しよう!