第一話 一章 ラーメンライス

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    電話していた土井が戻ってきた。  目が輝いているから、相手は女だろう。 「風見さん。美智瑠ちゃんが1時間位したら、来るって電話で言ってました」 「一人でか?」 「いや、何か新しい彼氏が出来たとかで紹介しに来るって」 「じゃあ、二人だな」  そんなやり取りを、夢見心地な顔で縁ちゃんが見ていた。  おそらく自分の彼氏と一緒に、この店に来ることを想像しているのだろう。 「縁ちゃん、今度は彼氏を連れてきなよ」 「いいんですか?」 「縁ちゃんに、酒を出さなくていいならな。それでも、大人のデート気分は味わえるだろ?」 「はい、絶対に連れてきますね」  理想のデートとか憧れのシチュエーション、夢のサプライズなんて恋愛の想像に、心をトキメかせるなんて俺が17の時にしただろうか。  きっと、しなかっただろう。  だから縁ちゃんが同年代や、年下が子供だと言うんだろうな。  
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