第一話 二章

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   17歳の少女と、カウンターを挟んで1時間近くが過ぎた。  彼女の口から出てくる話しは、かなりドラマチックで考えさせられる事も多い。  教師との恋愛の末に退学。  両親の状態。  年上好きの理由。  どこにでもありそうだが、身近ではあまり聞かない類いの話しは非常に興味をそそる。 「そういえば、縁ちゃん。腹減ってない?」 「お腹すきました。でもショットバーって、おつまみしか無いんじゃないですか?」  またも、微妙な意見が飛び出した。  しかも、一度メニューをしっかり見てのコメントだけに、どうしていいか分からなくなる。  土井が再度メニューを広げて、縁ちゃんにフードメニューの説明をしだした。 「じゃあ、シーフードピザと、シーフードサラダを下さい」 「両方とも、シーフードでいいの?」 「はい、シーフード大好きなんで」  別に構わないのだが、この子が言うと不思議とおかしく感じた。もしかしたら、天然なのかもしれない。  土井が調理の為に、厨房へ引っ込むと聞きもしないのに、彼氏とのなれ初めを話し始める。 「今の彼氏は、合コンで知り合ったって言いましたよね」 「医大生とかって言ってたね」 「はい、凄く頭が良くて、いい人なんですよ」  そう語った縁ちゃんの目は、大好きな彼氏の事を聞いてもらえる喜びで輝きを放っている。  
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