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土井が、ピザとサラダを持って戻ってきた。
厨房でさっきの話しを聞いていたようで、縁ちゃんの恋愛観に興味を示していた。
特に、年齢的な部分を気にして、質問を始める。
「縁ちゃんは、何個上まで恋愛対象になるかな。10個上なんて無理だよな」
「そんな事ないですよ。付き合ってた先生、14個上でしたから」
土井は、時々人の話しを聞かないというか、すぐに忘れる時がある。
教師と付き合ってたら、その位の年の差は普通にあるだろうに。
恋愛に関する話しの時はそれが特に酷く、時には相手を激しく怒らせる。
「そうだったね。でも、風見さんみたいに35歳とか、歳が倍以上は無理だろ?」
「おい、土井。何を余計な事を聞いてるんだ。そんなの……」
俺の言葉に、被せるように縁ちゃんが言った。
「風見さん、素敵です。もし、彼氏がいなかったら何て思ったりして」
単純に嬉しかったが、次の瞬間には嫁と子供の顔が浮かんで、浮わついた気持ちを振り払う。
土井は自分の時と、縁ちゃんの答え方の違いに気分を悪くしていた。
そして俺が妻帯者だと縁ちゃんに伝え、自分の方に向かせようとした。
悲しい努力だな。
それと同時に縁ちゃんの恋愛対象年齢の、上限は何歳までが対象になるのか気になった。
自分の父親より上でも大丈夫なんて言われたら、どんな気分になるのだろう。
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