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やがて、出張でこの近くに来ている5人組が、夕食の為に来店してきた。
先月から、週に3日は来てくれている。
カウンターの中央にいた縁ちゃんには、店の奥側に移動してもらう。
「おっ、可愛いお姉ちゃんが一人なんて寂しいなぁ。一緒に飲まない?」
5人の中で一番の年長者で上司であろう人が、縁ちゃんに絡もうとしている。
部下らしき4人は、すかさず止めに入った。どうやら、今日は既に飲んで来ているようだ。
「お客様、あちらのお客様は未成年のお嬢様です。下手な事は、考えない方がいいと思いますよ」
「そうなの? だったら、店として酒なんか飲ませたらいかんだろ」
「あちらにお出ししているのは、ノンアルコールです。ご心配なく」
普段使わないような言葉遣いと、多少ドスの効かせた声でお客さんに対応する。
いくらよく来るお客さんでも、飲みの席のマナーが守れない人間は嫌いだ。守れないのなら、来ないでくれた方がいい。
俺の言葉に、上司の男は大人しくなる。
「縁ちゃん、ゴメンね。君がかっこいいと思う、ショットバーにはこんな面もあるんだ」
「大丈夫です。ありがとうございます」
そこには、さほど動揺もしていない縁ちゃんがいる。
こんな事も予想していたのだろうか。
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