第一話 二章

6/16
前へ
/430ページ
次へ
   縁ちゃんの謎は、深まるばかり。  だが、店内の雰囲気は段々と良くなっていく。  5人組と縁ちゃんが意気投合して来たからで、さすがに年上の男性好きを自称するだけある。  平均年齢35くらいの男達を相手に、話しが噛み合っている。もちろん、合わせてるのは縁ちゃんの方だ。 「お姉ちゃん、本当に17かよ。本当は、27とかじゃないの? 未成年じゃ、そんな事は知らないだろ」 「前の彼氏の影響です。あと、こんなのとかも知ってますよ」  音楽、アニメ、お笑いなど、昭和の人間が大喜びしそうな話題に、的確にコメントを返してくる。  年齢査証を真面目に疑いたくなる。  まあ、お客さん同士が楽しく飲んでいるのなら、それを邪魔する理由はないので、俺と土井も話しに参加して盛り上がっていった。  ショットバーで、上品に格好つけてお洒落に飲むのも一つの形。  そうしないから、ショットバーで飲む資格はない等と、自分の飲み方以外を由としない薄っぺらい酒飲みは、そんな人が集まる店で飲めばいい。  酒は、気楽に楽しく飲めばいい。  それが、俺の店のもうひとつのルール。  他のお客さんに迷惑かけず、楽しく飲んでくれればお客さんは、神様だ。それが出来ないのなら、お客さんとは認めない。  
/430ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1159人が本棚に入れています
本棚に追加