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縁ちゃんがますます、不思議そうな顔を見せてきた。酒のシメについて、理解の範囲を超えてきたらしい。
聞くと、実際問題として飲酒をしたことが、まったく無いらしく……未成年だから当たり前だが、周囲に酒を飲む人間も、ほぼ皆無らしい。
だからこそ飲酒が大人の近道とか、ステータスに感じたようだ。
「話しに聞いた事はあるけど、何でシメが必要なんですか」
酒をある程度飲む人間には、当たり前のようにして慣例化してる場合もあるが、改めて理由を聞かれると困る質問だ。
「そりゃ、もう酒は飲みませんよって、自分の身体に知らせるためだろ」
「腹を満たして、酒を飲めなくする為じゃないですか」
「昔からの倣わしとか」
5人組は、好き勝手な理由を並べ立てる。
シメ。多分、締め括りから来ているんだろうが、5人組が言っていることを総合したことが、正解なのかもしれない。
それでも縁ちゃんには、理解が難しいようで首を捻って頷いている。
まあ、説明している俺の理解が怪しいのだから仕方ない。
「これだけ話してたら、ラーメン食いたくなってきた。マスター、ここはラーメンやってないの?」
「残念ながら、ラーメンはちょっと」
その気持ちは凄く良く分かる。
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