第一夜

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「………ん?」 道端で、ふと立ち止まる (なんか視線を感じる) 空気が落ち着かない 「お?」 ふと、正面を見ると、銀色の人影 (うわ………銀髪?珍しい………) 銀色の人影は、流れる長い銀髪を持つ女性だった ただ (………おいおいおい、なんだアレ、べっぴんすぎやしねーか………!?) そう、その女性は、今までに見た事がない………いや、この世の物とは思えない程に美人だった 互いに歩みを進める事により、その顔がハッキリと見えてくる (す………げぇ) その女性は、もはや美人なんていう言葉じゃ片付けられない程の、芸術品だった (………良いモン見れた) 見るだけでも、価値がある程のその女性が、こちらを真っ直ぐに見据えている事に気付いたのは、自分が呆然とその人を見つめているのに気付いたと同時であった そして、互いの距離が一番近付くその瞬間―――― 「シュウ様………ですね?」 へ? すれちがう瞬間、いきなり自分の名前を呼ばれる あまりの驚きに、心臓がどくん、と胸打つのを感じた 「………え?」 ゆっくりと、声のした方を向く まさか………な 「シュウ様………ッ!」 その、まさかであった 銀髪の、芸術品の様な女性は、今まさに至近距離で、自分と見つめ合っている ただ、その瞳にはうっすらと涙が浮かんでおり、せつなげにこちらを見つめている 「………シュウ様」 こんな美人と知り合った事もなければ、様付けされる覚えもないのだが 「えーと、どこかで知り合いましたっ………け?」 こんな美人を前に、声が震える事もなくまともに喋れた自分を誉めたい 「ずっと………ずっとお慕い申しておりました!」 「へ?」 意味がわからない (も、もしかして………メンヘr) 「シュウ様ッ!」 「ふおおおおお!?」 いきなり、抱きついてきた 「やっと………やっとお会いする事が出来ました!」 「へ!?うぇ!?」 状況がわからない その時、物陰から小さな人影が 「あー!神流(かんな)ズルーい!」 「え?」 「か、香留菜!?(かるな)」 「え?え?」 いきなり現れた、金髪ツインテの………美少女 「お連れしてからって言ったじゃん!」 「そ………それは………////」 「シュウ様、少しばかり失礼いたしますっ♪」 「へ?」 次の瞬間 香留菜と呼ばれたその少女の小さな体から 特大のアッパーカットが
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