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「なっ………!?」
驚いた顔で、勢い良く椅子から立ち上がる神流。
椅子ががたーんと音を立てて倒れる。
回りからは、黄色い歓声。
「なん、で………シュウさんが、ここに………ユニまで………!?」
「王様に向かって指差すとは、従者にあるまじき行為だぞ?神流よ」
「ぇ、あ、すいません………じゃなくって!!質問に応えてくださいっ!」
「応えてって………なぁ?」
「ねー?」
「は………!?」
「「言った通りの意味ですが」」
「だ………だからぁ………っ!」
「それ以上でも以下でもないよなぁ?」
「うん」
「だ、だって!私の所には何の書類も提出されてませんし、そもそもこんな事知りませんでしたよ!?」
怒りと不安と疑問が一緒になったような、なんとも複雑な顔をする神流。
「そりゃ当然。出してないもん。出したらお前絶対反対するし」
「あ、私はシュウに巻き込まれただけだよ?」
「いや、お前めちゃくちゃ楽しそうにしてたじゃん」
「あー、まぁ、初体験なワケだし?こーゆーの」
「あー」
「………!」
神様とユニのゆるゆるな会話についていけない神流。
「な、なんで………!」
「いやぁ、たまにはいいじゃん?こーゆーのも。普段お前らがどんな生活してるかも見てみたいしさぁ」
「そ、そんな理由があるのなら!最初っからそう言ってくだされば、私だって、何かしらの手段を用意したのに………!」
「あらかじめ予定されてちゃあ、いつも通りの日常かどうかなんて、わかるワケないじゃん?今、こうやって抜き打ちで来ても、普段通りの日常を送ってるのかわからないのに」
「し、シュウさんが来てる時点で普段通りじゃありませんっ!////」
なんかもう泣きそうな神流。
そんなに自分の私生活見られるのイヤなのか?コイツ。
「まぁ、ついでに他の奴らの日常も見てみようかと、な?」
「な?って言われてもぉ………!////」
「ほらやっぱり怒られたー」
「なんだよー、ユニだって行く気だったんだからいいだろー」
「私は最初反対してましたー。怒られるからやめようよって言ってまーしーたー」
「結局来てんだから共犯じゃん」
「まぁそこは否定しないけどサ」
「っ………!////」
「まぁ、そんなワケだから神流?」
「………はぃ………」
テンション低っ。
「転校生の、シュウ君とユニさんです。ヨロシクぅ」
そんなお話。
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