十二夜

5/20
前へ
/991ページ
次へ
で。 「だってさ」 「へぇ………おめでたいですねぇ………」 だいぶ回復した励那。 が 「ぅ………」 ぐらん、と励那の上半身が力を失い、傾く。 「っと………大丈夫か?」 それを支える。 このように、励那の身体に掛かる負担はまだまだ大きく、ベッドから起き上がるのがやっと、と言った所。 「まだ、最後に大きな波があるからな………ユニの時もそうだったけど、最後が一番大変らしい」 「ゔ………あれよりもっとキツいのですか………」 「………頑張れ、俺がついててやるから」 「それは、心強いです………////」 こてん、と、俺の胸に身体を預ける励那。 この恋人っぽい行動こそ、身体を重ねた………いや、そんな事ねぇか。 「………好きなだけ甘えるがいいさ。好きなだけ、甘えさしてやるから」 「………はいっ………////」 「………ただ、なぁ………」 「………?」 「神がさ、人間の姿をしてるのは、人が神を真似たのか、神が人を真似たのか………どっちだと思う?」 「………ぇ?」 「わかるか?励那」 違う生き物なのに、何故神は人の形をしているのか。 それは、神を宿す物、依代に、人の生贄が使われてた、とか、そういうレベルでの話じゃなく。 「………えぇと………人は、いつだってヒーローを求めますよね、自分じゃない、誰かを」 「うん」 「だから、人は、人の形をした、人の枠を超えた何かを求め、それが結果的に神様になったのかと………だから多分、シュウさんが人の姿を真似たのかなー………とか」 うむ。なかなかに良い、きちんと考えた答えだ。 「半分正解、人の心理、そこは合ってる。だけど、答えは外れ。正解は、神が先でした」 「え………そうなんですか?」 「元々、俺は形なんてなかった、ただの『意思』と『力』と『知性』をひとつにした、『神威』という存在そのものだった」 「………そんな事も言ってましたねぇ」 「うむ。で、その状態の己を複製して、ミウとヒナが産まれ、それと同時に『複数』という概念が産まれた。宇宙すら出来て無いのに」 「へぇ………」 飛躍したなぁ、話が。 「となると、次は『個性』や『違い』が必要。でも元は同じ存在なのだから、適度に共通した部分も必要だった」 「………それらを求めた結果が………?」 「その通り、人間の姿だ」 神様デザイン。
/991ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7221人が本棚に入れています
本棚に追加