十二夜

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病人は寝かした。 厳密には違うが、症状的には風邪。というか、たんなる熱なので、まぁ病人と表す。 で、まぁ、病人が寝てる裏で神様は何してるかっつーと。 「それっ」 「「あー」」 「今日も激しいなぁ………」 ユニの、神那と神流への剣術指南は、未だ続いていたワケで。 「はわー………」 「緋沙もやる?」 「し、死んじゃいますよぉ………」 「いやぁ、メガネ外して、身体強化に魔術使えば、案外いいトコまで行くんじゃねーか?」 「そんな事言われても………」 「………ま、緋沙が戦ってる姿は想像つかないしな。忘れてくれ」 緋沙と一緒に、観戦中。 「訓練はどうだ?うまく行ってる?」 「はい、皆、良くしてくれて………今はまだ、皆さんの胸を借りる形ですけど、近いうちには、必ず、指示を出す側として皆に認められるよう………頑張ります」 「ん。その意気や良しw」 「っ////」 わしわしと緋沙の頭を撫でる。 「んじゃ俺は、神那達が帰ってくるまでユニの相手を」 「はい、私も、訓練に戻ります。頑張ってくださいね?」 「お前も、な?」 「はいっ♪」 と。 まぁ、平凡な生活をしているワケだが。 「どう思う?」 ユニのハンマーの棒の部分と、俺の刀でのつばぜり合いをしながら、ユニと会話をする。 「おかしいね。いくらなんでも、あんなデカイ物体、神威以外で存在しようがない」 デカイ物体とは、言うまでもなく、ミヅキ正面にあるアレだ。 「現時点で、神威を持っているのは俺とミウとヒナ。そしてお前と、励那が加わったワケだが………あぁ、あとミヅキの動力もか」 刀を振り抜き、ユニを吹き飛ばす。 「アレだけデカイ物体だから、さすがに、ミウかヒナの神威くらい、感じるハズなのにね………」 落下の勢いを利用しながら、ハンマーが振るわれる。 それを、回し蹴りの足を頭上で止め、足の裏で受ける。 「考えられるのは、お前と同じく、アレの内部構造がバカ広いか………それか、広いどころか、この宇宙とは別の世界なのか、か」 ハンマーを軽く蹴り、ハンマーごとユニの腕を上げ、胴を表にさせる。 その瞬間、互いに武器を手放す。 「内部に向けての結界なら、こっちには神威来ないんじゃ?」 「その結界自体が神威なら、そんな事は無いよ………っと」 拳打の繰り返しの末、ユニの目の前で拳を寸止めした俺に軍配が上がった。 「じゃあ、なんで?」 「………うーん」
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