十二夜

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「ひーさちんっ」 「………はへ?」 艦長の席に座っておきながら、居眠りとは良い度胸じゃないか。といいたい所だが。 「おいすー。どうだい調子は?まさかこんな短期間で俺の傑作を掌握されるたぁ思わんかった」 機関魔術による、ミヅキとのシステム共有。 ようするに、ミヅキのコンピューターとの接続。 それを、緋沙はしていた。 「はい。上位互換であるユニさんが、私にとてもよくしてくれているので、ミヅキとも、すぐに仲良くなれましたっ♪」 「ぅ゙」 かわいい。 「でも、未だ解明出来ない部分もあって………」 「あ、そうそう。それを言いに来た」 「ふえ?」 「ミヅキな?俺の神威を原動力にして動いてるから、緋沙にはまだ、その部分は理解出来ないよ」 「………ぁ、そうだったんですか………」 「うん。だから機関部は無理な?で、他の部分は多分、居住空間地下深く。元々の『聖域』………あの山。の、地下。そこにある鍵の中に封印されてる、俺の残りの神威………ソレ」 「………つまりは、神威ですか」 両方な。 「前者は………まぁ、お前がユニや励那みたいな天使になれば理解可能。で、後者は封印が解けた場合。9割9分9厘以上は、俺の中へ戻り、残った欠片は、ミヅキの新システムとして解放される」 つまり、神威と繋がる者や物全てをパワーアップさせる事が出来るのが、あの鍵、と。 「ま、後者はまだ無理だな。副作用が大きすぎる」 神威を使いすぎると、またアイツが出てくるので。 「そうなんですか………なら、今はこれが限界、という事ですか?」 「うん、ま、そゆ事」 「そっか………良かった、これで実動訓練に入れますよ………未掌握の部分があるようじゃ、うかつにミヅキを動かすワケに行かなくて………」 「あぁ………そっか。そうだよな」 ………ん? 「じゃあ今は誰がミヅキ動かしてんだ?」 「? 手放しですよ?」 あらまぁ小首傾げて可愛らしいわねぇ。 「………まぁ、目標まで一直線だし………いいのか?」 「いいんじゃないでしょうか?ユニさんが、もしもの時は頼ってと仰っていたので、せめて私の研修が終わるまでは、お言葉に甘えようかと………」 「あぁ、そうなんだ?………うん。まぁ、いいよ。お前の用事が終わるまでは、俺とユニでなんとかする」 「はい………申し訳ありません。お手数をお掛けしてしまい」 「いいのいいの。愛しの恋人の為だし」 「あ、ぅ………////」 真っ赤。
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