十二夜

12/20
前へ
/991ページ
次へ
「………さて」 「………」 「ユニ、飛距離は?」 「200km程」 「………200kmを、三十分………か………うーん………遅いなぁ………」 吹っ飛ばされた神流が城に戻ってくるまでの時間。 「………」 しょんぼり。 「まぁ………進歩はしてる。評価もする。だけど………いまひとつ、こう………な?」 「はい………ごめんなさい………」 ゔ、罪悪感。 「………魔法も神威も。その時の精神が重要な要因だ。………何か、悩みでもあるのか?」 「っ………」 ………あるのか。 「………何だ?」 「い、いえ………こんな事、言えません………」 「言え」 「だ、だからっ………!////」 「言え」 「言えませんっ!////」 「なんで」 「っ………こんな、汚い感情を抱いていると知れたら、シュウさん、きっと私の事………嫌いになりま゙っ!?////」 すぱこーん。 からの。 「んっ………!?////」 むちゅー。 「おまっ………ぶん殴るぞマジで!」 殴ってる。もう殴ってる。 頭スパーンて。 「………っ………!////」 「あ」 泣く。 「っそ、そん、なっ………!たたっ、た、叩く事っ………!////」 「う、ぁ、ゃ、その………ゴメン………」 「っふ、ぅ………ううぅうぅ~………!////」 きゃーマジ泣き。 「あ、ああああ!か、神流!ゴメン!マジでゴメン!大丈夫?大丈夫か?マジで、マジで今のは俺が悪い!ゴメン!」 泣く子は嫌い。でも泣かせる奴もっと嫌い! 「ぅっ、ふ、うぅぅ~………!////」 「………っ」 抱き。 「わた、私っ、シュウさんの事っ、大好きでっ!私、わ………ぅ、うぅぅぅ~!////」 「あー………うん。ちょっと、自分本意すぎたな………ゴメン」 「それでっ………励那がっ………!////」 「………あー」 嫉妬………では無いにしろ。 「こんなの………こんな感情、全然綺麗じゃないです!こんな、こんなのじゃ、私………シュウさんと一緒にいる資格なんか………!////」 「………」 猛省。 確かに、ミヅキ含む、俺側の軍勢の事を、綺麗と言い過ぎていた所があったな、最近。 「………大丈夫だよ。散々、俺が綺麗だの純真だの言ってるユニだって、今まさに嫉妬中だしな、お前に」 「ぇ………?////」 「本人バレてないつもりだけど、今そこの柱の裏で思いっきりほっぺ膨らましてる」 「!」 びくんっ。 「………な?」 目の前にいたのに、ユニほったらかして神流といちゃついた所為だが。
/991ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7221人が本棚に入れています
本棚に追加