十二夜

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「酒造タンク………白ワイン。まるまる一缶。弁償するか、『月の騎士団長の浸かった酒』としての発売を許可するか………のどちらかを要求してきているが、どうする?」 神流のしていた書類整理云々は、癒治が代理。 ((………落ちたのか………そして浸かったのか………)) 成る程納得。 「飛ばしすぎたね………」 「ナイスショット。ユニ」 「ありがと」 「………で?どうする?」 「前者で。でも酒は買い取る」 そして飲む。 「神那は急性アル中で倒れた。慣れない酒をしこたま飲んで、更にそのまま運動したんだから、当然だわなぁ………」 「アル中って………大丈夫なのか?」 場合によっちゃ後遺症だぞ? 「月なめるなよ?それくらいなんともないさ」 「………まぁ、ならいいけどさ」 最悪、神様がなんとかするし。 「いやぁ、にしても、神那の急成長はスゴかったねぇ………」 「酒飲んだ事によって思考が単純化。真っ直ぐ物を考えられるようになって、魔導の純度が上がった………って所か」 ………………酔拳? 「「………」」 ………ダメだ。いくらなんでも、ネタキャラ化だけはダメだ。 「………こ、今回ので神那がコツを掴んでれば!」 「! そう!それ!そうすれば、ネタキャラ化回避で、かつ修行の成果も出て、万々歳だ!」 「………覚えてたら、の話な」 「「………」」 癒治はすぐイジワル言う。 「………じゃ」 そして言い逃げする! 「「………」」 そりゃ沈黙もしようよ。 「………じゃ、私は緋沙ちゃんと一緒にミヅキのシステムチェックでも………」 「………俺は、励那と神流の看病に………」 「………てな事がありまして………」 「………////」 布団の中に潜る神流。 「姉さんったら………////」 身内の恥? 「まぁ、いいじゃないか。進歩した事に変わりは無いんだし………………覚えてたら」 覚えてたら。 「………ちなみに、神那の酒癖は?」 「神那は………基本的にはお酒飲みませんね。そもそもあまり好きな方では無いし。職が職なだけに、アルコールが入るとマズいですし………」 「あー………」 パイロットなんて職業は、臨時の呼び出し上等だし。運動量も多いから、アルコール回るの早いしなぁ……… 「つまりは、アルコール慣れしてない………と」 「………はい」 「………」 ………超不安。
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