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光る卵にヒビが生え。
光は、殻の内側からの物になる。
伸びたヒビが、下から上へ。
全て伸びきり、光る線で卵が分かたれる。
その線から、なめらかな羽が生える。
ヒビを突き破り、内側から出てくるのは、翼。
ぐ、と力を込め、羽ばたこうとする。
みし、と卵を突き破る音。
数秒の後。
「「おわあああああああああ!?」」
日も上らない時間に、城から伸びる、尋常じゃない大きさと光量の、青白い光柱。
近所迷惑ここに極まれり。
いやぁ、忘れてた忘れてた、そういや眩しかったんだ、ユニの時も。
でも、嫌な眩しさじゃない。
瞳を閉じたくなるような光じゃない。
目を見開き、もっと見ていたくなるような、綺麗な光。
その光の中に佇む、人の形。
閉じた瞳がゆっくりと見開かれ、大きな大きな、蒼い瞳と見つめ会う。
兎の赤い瞳は既に無く。
真っ白な耳も既に無く。
そこにあるのは、人の形をした、『天使』。
………いや、それ以上に………
「………励那………!」
「っ………はいっ!////」
満面の笑みで、生まれ変わった事を喜びあう。
「………兎の耳、無くなっちゃいましたね………」
「あぁ………その姿も、似合ってるぞ?」
「ありがとうございます。って、うーわ。目が青い………」
「あぁ、俺達とお揃いだ」
「私の場合は髪も蒼いけどねー」
青白い神威の、青の部分。
「へー………って、あれ?シュウさん、目ぇ黒いですよ?」
「ん。俺は神威使った時しかなんないよ。普段は人間の肉体を忠実に再現してるからな。今は」
あまり神威を垂れ流すと、またアレが出るからな。
「へー………」
「………気分はどうだ?」
「………さっきまでは、最悪でした。痛くて、苦しくて、自分がバラバラになって、どこかへ消えてしまいそうで………」
「「………」」
「でも、やっと終わった時、一番最初にシュウさんが笑顔で迎えてくれた時………本当に嬉しかった。嫌だった世界に、一瞬で希望が舞い戻ってきて………光が満ち溢れて、私、本当に………本当に嬉しかった!////」
「そうか………そうかそうか!w」
やっぱり、待ってて良かったな………
「魔力………じゃなかった。神威が身体を満たして………なんでも出来そうな気分です………」
「そうか………じゃ、まずは、お前にやってもらう事がある」
「はいっ♪」
「………朝ごはん、作って」
「………はい?」
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