十三夜

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「スゴい力を手に入れて、最初にやる事がお料理ですか………」 「だって皆励那のご飯食べたかったんだもん。なー?」 『はいっ!』 超ステレオで叫ぶ城の兎達。 ずらー、っと大集合。 皆大好き励那のご飯。 「これで、神流が産まれ変わって、緋沙が直兎になったら。その時は、派手にやるか」 神流は別室で寝込み中。 後でおかゆでも作ってもらおう。 「そ、そんな………私なんかの為に………」 「何言ってんだ緋沙。頑張ったんだろう?なら、それに応えるのは当然の事だ」 「ぅ………////」 メガネの奥で涙目な緋沙。 「ま、甘んじて受けとけ?どうせ、じきにそれどころじゃなくなる」 「………」 そう。 のどかにしていても、月は今、戦う為の準備をしているのだ。 緋沙だって、ミヅキの取り扱いを学んでいる。なんて言いながらも、その4割が兵器についての知識で、残りの4割が戦術。兎の生活を守る、都市管理についての知識は、1割にも満たない。 「本格的な、感謝と、謝罪の言葉を送る必要があるよな………俺は、皆に」 「そんな………皆、シュウ様が好きだからやってるだけなんです。感謝はまだしも、謝罪なんて、そんなの、誰も望んでませんよ………」 「緋沙………」 「私だって、一応シュウ様の恋人ですし。シュウ様の事、愛しています………だから、こんなに頑張れるんです。大好きだから………////」 「………」 顔を赤くし俯く緋沙の頭を撫でる。 「けど、もしも、仮に、万が一、月から死者が出てしまった場合。俺の謝罪が必要な人。謝罪がなきゃ、やってられない人って、いるだろ?」 そも、俺が原因の戦いだ。 だから、俺が責任を取る意外、他に無いワケで。 残された人ってのは、多分、確実に、俺を恨む。 そういう人に出来るのは、ただただ頭を下げ、謝るだけ。 「………シュウ様は、少し、勘違いをしていると思います………」 「ん………?」 ふと、緋沙と見つめ会う。 「////」 「んむ」 ぷにっ。 「っ………////」 自分でキスして自分で照れてるぞコイツ。 「っ!////」 見てた兎が「きゃー」と黄色い歓声を上げてるのを聞いて、更に赤く。 「み、みんな、今みたいにシュウさんの事、愛してるからっ………!私だって、恥ずかしいの覚悟で、それでも、好きだから、頑張ってキスしたんです………!多分、同じ理由で、戦いに命だって掛けられる………と、思います………!////」
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