十三夜

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「はい先生。質問があります」 「はいどうぞゆーなん」 生徒ってナリじゃないけどな、癒治は。 「………私はなんでこの場に呼ばれたんだ?」 「んー?そりゃ、アンタ月のメカニックだし?」 「………」 「月に技術こそ与えてやるものの。その技術を浸透させるのは俺じゃあない」 「………その役目を、私がするのか………」 「うむ。これから神の技術力をみっちりこってりとお前に教え込む。手取り足取り乳揉み」 最後。 「………マジで?」 「まじまじ」 「………めんどくせー………」 「うおい」 「勉強。嫌いなんだよな、私」 月一の頭脳の持ち主がか? 「お前………月の賢者じゃなかったんかい」 「そりゃ、努力したからなぁ。………でも、当の昔に充電切れなんだよ」 「………」 言われてみたらそんな感じもする。 「………お前………なぁ………」 「………けど、私は賢者である前に、一匹の雌だ」 「あ?」 「………恋する………な」 「………ぁ………」 ………そゆ事、ね……… 「………期待、させてもらうぞ………?////」 「………ユニも一緒だけどな。………まぁ、いい。任された。お前の期待には、必ず応えよう」 「んぅ………?それをお前が自分で言うって事は、ユニが一緒じゃないといけない理由があるのか?」 「「まぁねー」」 「格納庫兼資材庫兼演算機………って所かな?」 「それと、俺の専用機も兼ねてるからな。ユニは」 「専用機?」 「神威の宿ってる今でこそ、天使というひとつの生命になってるが、もともとユニは人と機械のハーフ。最初に姿を表した時だってそうだろう?」 「そん時は私って気付いてなかったけどね。シュウ」 「ゔ………お前だって、寝ぼけてて俺の事どころか、自分の元の姿すら忘れてたクセに」 「………」 ……… 「「おあいこ」」 決着。 「まぁ、つまりだ。俺にとっての神威増幅機は、ユニが務める。その心は100×2から100の2乗。100の戦力ふたつから、10000の戦力がひとつに」 「………なんで2乗になるんだ?」 「んー………ほら、神威って、魔法や魔術以上に精神状態に影響されるからなぁ………」 「………つまり?」 「………まぁ、好きな人が傍にいりゃあ、元気百倍?で、俺もユニも神威持ってる戦闘要員だから、100倍×100倍」 たんじゅーん。 「………」 「………ちなみに俺は数学が嫌いだ」 「だろうな」 失礼だなおい。
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