十三夜

13/19
前へ
/991ページ
次へ
半日後 「………」 床に倒れ込む癒治。 「………ぉーぃ………だいじょぶー………?」 しゃがみこみ、それを突っつく香留菜。 「いやー、着実に直兎のスキルアップが行われているなぁ」 「シュウ様?癒治、どうしちゃったんですか?」 「んー?ちょっとハイペースに詰め込みすぎて、知恵熱?」 「………へー………」 つんつん。 「………なんなら、香留菜の修行もやってやろうか?」 「ぇ♪」 「まぁ、キツくなきゃ修行じゃないけどな?」 「ぅ゙」 「やっとく?」 「………ぃ、今はまだ、学校もあるので………」 「そかそか。まぁお前は前線に出させないし。危険な事も極力させないからな」 「えぇっ!?な、なんでですかっ!?」 「砲台が前出てどうする。お前は後ろからブッ放しててくれればいいの」 「………ぇー………」 何が不満か。 「………ガキが無理すんな。せめて、もう少しデカくなってからそーゆー事言え」 「ぅー………」 「そうだな………せめて、神那くらいのナイスばでーになってから言え」 「えー………」 神流や励那みたいになれ、なんて欲張りは言わないが。 いや、神那もだいぶアレだけど。 (月は、女の血が徹底的に濃いからなぁ………) 女の特長は顕著に現れる。 だから、香留菜も放っておいてもそれなりの大きさになるだろう。 ………まぁ、癒治の胸はあんまし育たなかったみたいだけど。 「………地味ーに、忙しいなぁ………」 「………」 ぽむぽむと肩叩きする儚。 「………お前も、俺に鍛えられてみる?」 「………断る」 「そか」 「………言っていいか、わかんないけど」 「?」 「あの盾からは、イヤな気持ちがたくさん出てる」 「………わかるのか?俺ですら、神威を感じ取る事が出来ないのに」 「ほぼ、勘」 「勘でも。お前の言っている事だ。信じるよ」 「………」 「そっか………イヤな気持ちか………」 「………うん」 (………ミウとヒナが、ヤツに負けるとも考えられんが………) ただ、そーゆー感情が漏れ出すって事は、多かれ少なかれ、ヒナとミウの抑え込んでる物が出てきてるって事で……… 「………急がなきゃ、いけないよなぁ………」 ただ、今の月のままだと、もしも戦った時に、ヤツに勝てるとは思えない。 「………」 まぁ、勝ち負けの問題かどうか、まだわからないけれども。
/991ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7221人が本棚に入れています
本棚に追加