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半日後
「………」
床に倒れ込む癒治。
「………ぉーぃ………だいじょぶー………?」
しゃがみこみ、それを突っつく香留菜。
「いやー、着実に直兎のスキルアップが行われているなぁ」
「シュウ様?癒治、どうしちゃったんですか?」
「んー?ちょっとハイペースに詰め込みすぎて、知恵熱?」
「………へー………」
つんつん。
「………なんなら、香留菜の修行もやってやろうか?」
「ぇ♪」
「まぁ、キツくなきゃ修行じゃないけどな?」
「ぅ゙」
「やっとく?」
「………ぃ、今はまだ、学校もあるので………」
「そかそか。まぁお前は前線に出させないし。危険な事も極力させないからな」
「えぇっ!?な、なんでですかっ!?」
「砲台が前出てどうする。お前は後ろからブッ放しててくれればいいの」
「………ぇー………」
何が不満か。
「………ガキが無理すんな。せめて、もう少しデカくなってからそーゆー事言え」
「ぅー………」
「そうだな………せめて、神那くらいのナイスばでーになってから言え」
「えー………」
神流や励那みたいになれ、なんて欲張りは言わないが。
いや、神那もだいぶアレだけど。
(月は、女の血が徹底的に濃いからなぁ………)
女の特長は顕著に現れる。
だから、香留菜も放っておいてもそれなりの大きさになるだろう。
………まぁ、癒治の胸はあんまし育たなかったみたいだけど。
「………地味ーに、忙しいなぁ………」
「………」
ぽむぽむと肩叩きする儚。
「………お前も、俺に鍛えられてみる?」
「………断る」
「そか」
「………言っていいか、わかんないけど」
「?」
「あの盾からは、イヤな気持ちがたくさん出てる」
「………わかるのか?俺ですら、神威を感じ取る事が出来ないのに」
「ほぼ、勘」
「勘でも。お前の言っている事だ。信じるよ」
「………」
「そっか………イヤな気持ちか………」
「………うん」
(………ミウとヒナが、ヤツに負けるとも考えられんが………)
ただ、そーゆー感情が漏れ出すって事は、多かれ少なかれ、ヒナとミウの抑え込んでる物が出てきてるって事で………
「………急がなきゃ、いけないよなぁ………」
ただ、今の月のままだと、もしも戦った時に、ヤツに勝てるとは思えない。
「………」
まぁ、勝ち負けの問題かどうか、まだわからないけれども。
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