十三夜

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「おべんと作って来ました~♪」 「「おー」」 数十分で重箱詰めてくるのかコイツは。 (出来立てホカホカなお弁当はお弁当と呼べるのだろうか………) 全知全能の神の唯一疑問。嘘。 「あとこちらがお茶です」 「んむぐ」 (既に食べ始めてる………) 待つ事を知らないゴッド。 「そんなにがっつかなくても………無くなったりなんかしませんよ」 「そうそう」 そんな事言いながらユニさんものっそ食ってまんがなー。 「………ぁー………」 「お前少しくらい咀嚼しろ」 「ヤダ。その隙にシュウが食べるもん」 「ええいその喧嘩(フードファイト)買った」 「………えーと………が、がんばれー………?」 励那さんその反応は違うと思う。 「「………」」 ぐったり。 「………お茶、いります………?」 「「いる」」 疲れる程の勢いで物食べるってどうなんだソレ。 「仲良く食べればいいのに………」 「いやー、なんといいますか………」 「マイペースとマイペースを一緒にするとああなるんだよ」 「そうソレ」 「譲り合いって大事だと思うな………」 「俺達の場合、むしろ関係が近過ぎて、そーゆー気遣いしなくなったんだよなぁ………」 「私の場合元はシュウの事嫌いだったけど、惚れた瞬間にそーゆーの気にし始めたからなぁ………」 「あ、アレそーゆー事だったの?」 「うん。急に、他人行儀というか………自分で言うのもなんだけど、女っぽくなったから………シュウに気持ち悪いって言われて………」 あ、鬱った。 「………シュウさん………」 「ぇ、俺?」 「正直………それはどうかと思いますよ………?」 「いや………だってお前、俺が急に真面目な紳士になってみろ。どうなる?」 「「………」」 「似合いますね」 「うん。カッコいい」 「なにい」 なんですとお。 「いや、だってお前ら………俺だぞ?俺が真面目になるんだぞ?」 「昔のシュウは物腰柔らかくて落ち着いててねぇ。初対面の時は、その全てを達観したような態度が生意気で………」 「へー………」 「で、蓋を開ければ神様だった………と。そりゃ全てに達観してるのも当然だわなー。って」 「すげえ俺無視されてる。ここまでアグレッシブにシカトされる主人公が未だかつて存在したでしょうか」 神様なんだぞ。俺神様なんだぞ。
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