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そして。
「そう、いい子………優しく、飛ぶの………お前がとっても速く飛べるのはわかってるけど、でも、それを見てもらう為には、優しく飛ぶ必要があるの」
「お、来た来た………すごいな、フライト用のプログラムがこんな速度で………」
隣でキーボードと液晶抱えてる癒治。
「そーゆーもんだからね。機械とお話するってのは」
初めてシュウに見せた時は、しきりに「ブレンか!ブレンパワードなのか!よし脱げ!そして飛べ!」とか言ってた。
あと「永野メカが動く事がどれだけ有難い事なのかわかってんのかねぇ………」とか。
恥ずかしながら、その言葉の意味がわからなかった当時の私は、さすがシュウだなぁ。とか思ってたのだけれど。
言葉の意味がわかる今、とりあえず後者については同意件。
まぁ、前者の言葉についても、だいたいそんな感じだから、正解っちゃ正解、かな。
………なんだ、どのみち、今の私にとっても、シュウの言葉に抱く気持ちは、さすがシュウだなぁ。なんじゃん。
………うん。やっぱ、さすがだよ、シュウは。
「ユニ、なんか変なの混ざってる」
「ん、え、あぁっ!こらっ!それじゃ速いってば!私の言うことちゃんと聞いて!」
いっけね。集中集中。
「お疲れー。夜食だよー」
「ぉ」
「ん」
おにぎりやら味噌汁やら、色々と作ってきてくれた香留菜。
「外、雪なんよ」
おや。
「月がミヅキになっても、冬は来るし、雪も降るんだねー………明日の朝になると、皆驚くだろうなぁ」
「ちょっと、出来すぎてる気もするがな」
なんか既に食べ始めてる癒治。
「「夢無いなぁ………」」
「仕方ないだろう………いくらなんでも、こんな………なぁ?」
………まぁ、若干、やりすぎって感じはするけど………
「やりすぎちゃう程、天に味方されてるんだよ。きっと………それは、光栄な事じゃない?」
「………まぁ、神様味方につけてるワケだしなぁ………」
………文字通り、天に味方されてるようなもんか………
「香留菜、頭に雪付いてる」
「ありゃ」
「あーあー、手ぇ真っ赤にして………寒かったでしょう?」
「んーん。大丈夫、平気だよ」
………って………
「あれ?」
溶けてない雪がある?
「何コレ………羽?」
「「「………」」」
………さすがに、これは………
「………ほら、やっぱり出来過ぎてるじゃないか」
「「うん………」」
………まぁ、でも………
(心強い………な)
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