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「荷物よーし。食料よーし。神流の機体も積んだし………」
「準備完了、ですか?」
「だぁね~………」
緋沙ちゃんも神流も励那もいるし………
「ほんじゃま、ぼちぼち出発しますかー………」
「ユニ、なんでそんなぼーっとしてるのよ………」
神流は神那と緋沙ちゃんと寝たから大丈夫だろうけど、私は徹夜だから眠いのよん。
まぁ、グチる程大人気なくはないつもりなので言わないけどさ。
「………」
「んぅ………?」
やっと寝れる。もとい、出発出来る、って時に、袖を引いてくる儚。
「どったのー………?」
「………………シュウは?」
………
『ぁ』
………一人も気付かなかったのか………
(ごめんシュウ………マジでごめんなさい………)
いや、だって、シュウってば今元気無いし。
神威ってのは有り体に言うと、『存在力』ってやつだ。
そもそも、無であった世界に『存在』という概念を作り出した物が神威であって、それはつまり、どんな『存在』だろうと作り出せるって事で。
神威を宿すと不老不死ってのは、肉体が消失しても、その『存在力』が神威にすり替わっているから、その人そのものの『存在』が消えない、という事で。
わかりやすく例えるならば、名簿。
『世界に存在する』という行為を行なっている者や物は、『世界』という名簿に、自分の名前、つまり『存在』を書きこんでるような感じ。
ただし、鉛筆で書いてあるから、消したらその名簿からは見えない。つまり、存在しない事になる。
で、神威ってのは、その人の名前を彫った判子みたいなもんだ。
インクだから名前が消える事は無いし、仮に名簿が壊れても、判子があるから、別の名簿にぺったんこ。
名簿が無くても、名前を刻んだ判子は確かに『存在』する。
そんな力。
んで、今のシュウは、そんな力が使えない状況。
つまり、存在が薄くなってる。
………まぁ、それでも人の身体である以上、普通の状態と差違は無いのだけれど。インクだし。
「………単純に忘れてました。ごめんなさい」
『すいませんでした………』
「………」
儚以外、寝ているシュウに土下座。
………いやぁ、寝不足だからと言っても、さすがにコレは無いよねー。
………猛省。
(神威が十分な状態のシュウだったら、常に頭の中でシュウの事考えてんだけどなぁ………)
そーゆー力だ、存在力って。
(………忘れるなよ。私………旦那様だぞ?)
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