夜明け

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―――――― 「ッちぃ………!」 マズい。 『シュウ!今どこ!』 念話でヒナが話しかけてくる。 『A-3!西側の扉にバリケード張られた!』 『了解!向かうから耐えて!』 「ぁい、よぉっ!」 腰にぶら下げた手榴弾のピンを抜き、壁の向こうに投げる。 数秒後、ばすっ、という音と、短い悲鳴が多数。 「ばれっとたーいむ♪」 躍り出る。 で、両手に持つマシンガンを撃つ。 「撃つなよー、撃つなよー」 と、願うはいいが。 「っうぉあぁ」 反撃来た。 「ばーか!お前らばーか!」 逃。 「ぎゃーす!当たる当たる当たる!あっぶねぇな畜生!」 逃げ隠れる。 「………大丈夫?」 「………ヒナ!」 「時間稼ぎのつもりかっ。このばかちん」 「いやははは。ついでに数減らせたらなーと」 「ったく………はいこれ。ディスチャージャでいい?フラッシュバンあと一個しかないけど」 「おう。あとフラグわけて、投げきっちった」 「ホンットバカな。お前」 「あはは………すまん」 「まぁ、いいわ。許したげる。前衛?後衛?」 「俺さっき向こう見たから、前行くわ」 「ん。気をつけて」 「おう」 「シュウ」 「………ん」 「ん………っ」 無言で唇を重ねる。 「さ、行きましょう?」 「おう」 なんか洋画みたいなやり取りだったなぁ。 「行けっ」 床を転がすようにディスチャージャを投げる。 ぼむ、ぷしゅー。 「行くぞおらぁ!」 両手に持つ銃を乱射しつつ、突入。 適当にばら蒔きながら、適当に狙って、適当に状況把握。 「12に2!2、3に一人ずつ!あと10時方向!」 「ya-!右から3つ!」 「あいよ!」 ヒナが右側に走って行く気配を感じながら、左に銃を向け、掃討。 最後に、ヒナと背中合わせに、12時方向に居た二人に銃を向け、一言。 「「夫婦のコンビネーション舐めんなよ?」」 「「………まいりました」」 銃口の先には、神流と神那。 「訓練終了ー。ほらお前ら寝てんなー。片付け片付け、ハリーハリーハリー」 「し、シュウさん、ちょっと休憩………」 「疲れましたよぉ~っ………」 「お前らなぁ………」 軟弱ねぇ。 「あーもー、シャワー浴びっぞー」 「「あーうー………」」 うだる二人をずるずると引っ張る。 戦闘訓練でした。 まぁサバゲーだけど。
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