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「君は王都の街路警邏の者か?」
「はあ…そうです…クビですか?」
情けない顔でシィンを見上げる。
「勤務中なのか?」
「いえ、仕事帰りで明日明後日は非番です」
シィンたち彩石騎士とは違い、警邏の者や哨戒…要所に詰めて見張る者たちは、交代制の勤務だが、休暇はきっちり決まっているのだ。
たまにそれが羨ましい。
「なら問題ないだろう」
そう言って、また少し考え、結局決めた。
「もし同僚らに黙っているのを感謝してくれるなら、頼みたいことがあるんだが」
無理強いできるような状況でもないし、余人に知られるのは避けた方がいい。
断られて当然と思いながら聞いてみたが、相手の返答はあっさりしたものだった。
「俺に出来ることならいいですよ」
余程義理堅いのか、単なる好奇心か。
とにかく、シィンは明日1日とはいえ、仲間を作ることに成功したのだった。
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