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「……っ!」
腹部で弾けたそれに、レニウムは声をあげることなく、…いや、あげることができずに吹っ飛んだ。
障害物など何もない空の上。
レニウムは翼に力を込め、何とか体制を保った。
悪態を吐こうとして、しかしその唇から零れ落ちたのは、緋色。
喉元からせりあがってくる熱に耐えられず、ごぽり、と血を吐いた。
チィ、と舌打ちをして顔を上げれば、勝ち誇った笑みを浮かべた相手の顔。
「てめっ…、ウォルト!」
不意打ちなど反則だ、と続けようとして、ああ、そういえばこいつは悪魔なんだからそんな言い分は通らない、と気付く。
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