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「あーあ、雨かよー。折角部活モードになったのによー」
「本当っスよねー。真田副部長にお説教食らわなかったら、少しは練習出来たのにー」
「お前さん等が遅刻せんかったら、もーっと練習出来たのにな」
練習は中止になると判断したのか制服姿のままの丸井と切原はトロフィー等の前に座り込み、真田に対しての愚痴を口にする。
真田がいない今だから口に出来るのだ。
そしてその横のロッカー前では、ジャージから制服に着替えようとしている仁王。
その仁王から少し離れた出入口側のロッカー前には柳、柳生、ジャッカルが着替え終わる頃だ。
すると、部室の扉が開いて幸村が入り、口を開く。
「皆、十分後にミーティングにするから、各自制服へ着替えてくれ。濡れた人は体調を崩さない様気を付ける様に」
各々が返事をする中、丸井と切原には幸村の声は届いておらず、二人は着替え途中の仁王にちょっかいを出している。
未だ上半身に何も纏っていない仁王を触ったり跳び付いたりしている様だ。
「丸井、赤也、仁王」
幸村が優しく諭してみるが、一向に止める気配が無い。
寧ろ先刻よりエスカレートし、丸井が仁王を押し倒してしまった。
その瞬間、表情は変わらず微笑んでいるものの幸村の周囲だけが冷え込んだ気がしたが、当の三人は全く気が付かない。
幸村は徐に携帯を取り出し、三人に向かって構えた。
「丸井先輩やりますねー」
「お前さんっ、何しとんじゃっ」
「ハハッ、眺め良いー」
調子に乗り仁王の身体や髪を触る丸井、僅かに抵抗する仁王、傍らでニヤニヤしながらそれを眺める切原。
そして、こともあろうことか、丸井は仁王に顔を寄せ唇を押し当てた。
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