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ピピッ パシャリ――
――と機械音がし、その音の発信音を辿ると、周囲を冷え込ます所か部室内を雪山にする程の雰囲気を放つ幸村がいた。
相変わらず表情は変わっていない。
「丸井」
幸村に呼ばれ、咄嗟に仁王から体を離す丸井。
それに伴い、仁王も上体を起こした。
「何をやっていたのかな」
「や、いや、ただの遊びだよ!スキンシップ!」
「そうか……、それなら――」
一旦言葉を切り、先程から手に持っている携帯の画面を丸井に向ける。
「――コレ、芥川君に見せても構わないよね」
その画面に表示されているのは、先程の丸井と仁王のキスシーン。
おまけに高画質だ。
「そ・それは……」
「じゃあ早速送ってみようかな、どんな感想が帰ってくるか楽しみだね」
「……そ・そうだっ!お前、慈郎のアドレス知らねぇだろ!そんな手には乗んねぇぞ!」
「残念だけど――」
幸村は一層笑みを強くする。
「――関東テニス部の上層部は皆仲良しなんだ」
つまり、芥川のアドレスは知らなくとも、跡部のアドレスは知っているという事だ。
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