影の先

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長く壊れやすい儚い道が俺の足元からのびていた 僕はその足を前に出すことを恐れていたのかな 今いるところから離れるのが怖かったのかな   君が君でいなくなる 僕が僕でいなくなる そう思っただけなんだ 強がってただけなんだ 壊したくなかったんだ   あれからどれだけのときがめぐったのだろう 長くのびた道の途中に君は先回りして僕に手を振りながら、泣きながらおいでと僕に言ってくれたね  僕の足は動きだした 君を確かめながら 君がいたから、君がいたから僕はここにいるよと君に伝えたくて
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