ある捨て猫の物語

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青森に来てからのもこなは、元来猫好きの母のおかげで、かなり可愛がられることになった。 というか、結婚適齢期にもかかわらず、今だに独身の娘が連れてきた猫を孫に見立てていた節があった💧 アパートの一室から、庭付き一戸建ての家に移ったのだから、当然、行動範囲は広がるのかと思いきや、外に出せば、慌てて家の中に逆戻り、リードをつけて連れ出せば、道路の端を匍匐前進する始末💧 お前、それでも猫か?と、呆れるばかりであった。 冬には、神奈川ではお目にかかれなかった大量の雪の上に放り出され、あまりの冷たさに足を振り振り歩き回る仕草には、母と大笑いした。 そんなこんなで二年あまりが過ぎた頃、またもや災難が降りかかった。
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