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ボリスがゴーランドに嘘をついていなければ、他の場所に寄り道をしていたとしても、そろそろここに着いていてもおかしくない。
そんな淡い期待を胸に抱きながら、引っ張られたままの状態で何とか首を動かして後ろに振り向いた。
けれどそこには何者の侵入も拒むような壁と門しか無く、人影など全く無かった。
―…いない…。
ボリスが来ているかも知れないと言う、私の期待は砂漠の砂のようにサラサラと崩れ去った。
他人を当てにした私自身も大概愚かだと思うけれど、居て欲しくない時には居るのに、居て欲しいと思うときには居ないボリスには腹が立つ。
―…ボリスの馬鹿! なんでこんな時にだけいないのよっ!!
思わず、ここにいないボリスに向かって心の中で悪態を付く。
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