†第一章†

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何故なら、ボリスに会えないまま時間帯が変わってしまった事が変わってしまったことが一度や二度ではなく、この頃よくあるからだ。 初めの頃は、そんな時もあるわよねと気にも留めなかったのだけど、十時間帯以上も会えない時間が続くと、不安でたまらなくなる。 その不安を打ち消したくて、朝の時間帯になってすぐボリスに会いに来たのだ。 けれどボリスに会うことは出来なかったうえ、居場所も全く見当がつかなくて、心の中の不安は消え去るどころか反対に積もってしまった。 ―…私……、嫌われたのかも…。 そう、思う。 毎時間帯会いに来てくれて、会う度に「好きだ」と言ってくれたボリスに、いつも言葉を濁して曖昧にして……、ちゃんと返事をしなかったから。 心のどこかで、ボリスに嫌われる事はないと思っていたのかもしれない。
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