†第一章†

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―…私って、本当に嫌な娘(こ)。 これじゃあ、嫌われるのも当たり前だわ。 根暗で卑屈で、うじうじしていて……。 私だったら、絶対にこんな娘とは付き合えないもの。 ボリスだって『付き合っていられない』と思ったに違いない。 『お姉さん! どうしたの?!』 「? どうしたのって…何が?」 不意に、今まで楽しげに会話をしていた双子が、驚きの声を上げて立ち止まった。 それに合わせて私の歩みも止まる。 ディーとダムに視線を移すと、双子は信じられないモノを見たというような顔で私を見ていた。 しばらくの間、そのまま固まったように動かなかった双子は、お互いに顔を見合わせて頷き合うと。 「やっぱりお姉さん、具合が悪かったんだね!」 「そうだよ、兄弟! 早くお姉さんを休ませてあげないといけないよ!」 と、騒ぎ出した。 何が何だか分からずに、困惑したまま双子を見つめていると、突然視界がぼやけてディーとダムが歪んで見えた。 ―…なんでかしら? ……視界がぼやけて…、目が何かおかしいわ…? そう思い、指で触れてみると指先が何か温かい水で濡れた。 ―……涙? 私、泣いているの? 悲しくなんかないのに何故なのかしら…?
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