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―…私って、本当に嫌な娘(こ)。
これじゃあ、嫌われるのも当たり前だわ。
根暗で卑屈で、うじうじしていて……。
私だったら、絶対にこんな娘とは付き合えないもの。
ボリスだって『付き合っていられない』と思ったに違いない。
『お姉さん! どうしたの?!』
「? どうしたのって…何が?」
不意に、今まで楽しげに会話をしていた双子が、驚きの声を上げて立ち止まった。
それに合わせて私の歩みも止まる。
ディーとダムに視線を移すと、双子は信じられないモノを見たというような顔で私を見ていた。
しばらくの間、そのまま固まったように動かなかった双子は、お互いに顔を見合わせて頷き合うと。
「やっぱりお姉さん、具合が悪かったんだね!」
「そうだよ、兄弟! 早くお姉さんを休ませてあげないといけないよ!」
と、騒ぎ出した。
何が何だか分からずに、困惑したまま双子を見つめていると、突然視界がぼやけてディーとダムが歪んで見えた。
―…なんでかしら? ……視界がぼやけて…、目が何かおかしいわ…?
そう思い、指で触れてみると指先が何か温かい水で濡れた。
―……涙? 私、泣いているの? 悲しくなんかないのに何故なのかしら…?
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