†第二章†

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「お~い、ボリス」 ちゃんとした道を行くか、それとも獣道を通って森を突っ切って行くか、考えながら遊園地のゲートに向かって歩いていると、不意に名前を呼ばれた。 振り返ると、そこにはこの遊園地のオーナーであるゴーランドのおっさんが立っている。 「こんな朝っぱらから何処に行くんだぁ~。珍しいよな、お前さんが朝一で出掛けるなんてよ」 「何処だっていいだろー。俺が何処に行こうとアンタには関係ないし」 アリスのところに行くなんて言ったら、絶対にからかってくるに決まってる。 長い付き合いだからわかる。 ―…分かりたくなんかないけど…。 このおっさんはそうゆう奴だ。 ―……俺、人をからかうのは好きだけど、からかわれるのは好きじゃないんだよねー。 だから絶対に、アリスに会いに行くなんて言わない。 言ったら、それこそおっさんが厭きるまでの間、顔を見合わせる度にからかわれるのがオチだ。 「それに、俺だってたまには朝から出掛けたりすることもあるって。 …何かあんたの言い方だと、俺って朝の時間帯に全然出掛けていないみたいに聞こえるじゃないか」
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