†第二章†

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「出掛けてねぇーじゃねーか。 だいたいお前の行動時間は夕方と夜の時間帯が主だろ」 「たまには朝の時間帯にも出掛けてるっての。 アンタが知らないだけだ」 「ほー、俺が知らないだけ、か。 ……じゃあ、そのたま~にしか出掛けない朝の時間帯に、お前さんは何処に行くんだろーな?」 ニヤニヤと笑いながら聞いてくるおっさんに、殺意が湧く。 けれど、俺は我慢した。 久し振りにアリスに会いに行くのに、血や硝煙の臭いをさせていたくない。 「しつこいなぁ~。 ……なんでそんなに俺の行き先が気になるのさ? なんか理由でもあんの?」 「そりゃあ、アレだアレ。何かどーでもいいことなんだが、気になると知りたくなってどうしようもないってやつだ」 「……何だよ、それ。意味わっかんねー」 わはは、と笑うおっさんに、思わず溜め息が零れた。 いっつも思うけど、このおっさんとの会話は疲れる…マジで。 「んで、マジな話。お前、どこに行くんだよ?」 「……帽子屋」 笑いを含んだまま、懲りずに尋ねてくるオッサンに、そう答える。
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